
著:たくみ けいすけ
1985年
第17話 製作
実は、前述した関門L波止、遠賀川以外にも鐘崎漁港、釣川河口、熊本市の緑川等にも数回、私はこれまでにスズキを狙いに出かけた事があった。その頃からシーバス用のルアーに興味があり、ハンドメイドルアーの製作に熱中していた。
泉氏のハンクルにも影響され、ルアー作りという趣味の世界も広がり、暇で淋しい夜を過ごす事もなくなった。
私には妻がいたが、事情があり別居結婚をしていたものだから、筑豊の家に帰ると独身の状態が続いていた。
私の場合、シーバス用のルアー製作で一番工夫したのは、リップのないミノープラグを作り上げる事だった。
ペンシルベイトのような物でなく、リップレスでもちゃんと普通のミノーの泳ぎを演出できる物をめざした。
リップを外したかったのは、飛距離を稼ぎたいのと同時に、12m程度でフローティングとして生かしたかったからである。現在のシーバス用ルアーは重心が移動したりして、飛距離の面でも大幅にカバーされた商品が一般的だが、当時はそのような物はなく、いわゆる伝統的な物こそが主流だった。

そんな中、満足のいくシーバス用ルアーが完成した。
「M42F」と名付けたのだが、MURASAKIGAWAの「M」に、シーバス用ルアーの製作を始めて42個目の「42」、そしてフローティングの「F」という意味を持たせた。
リップがないので横から見ると、ちょうど小さなブラックバスが口を大きく開けたような格好をしている。
カラーは、迷わず夜に目立つようにとの気持ちを込めてオレンジに仕上げた。
トリプルフック2本の12cm、10cmである。